08年6月の無差別殺傷事件以降、中止されていた東京都千代田区・秋葉原の歩行者天国が来年1月に再開されることが10日、都公安委員会で決まった。1月23日から毎週日曜日に実施する。6月26日まで試験実施し、問題がなければ継続する。再開にあたり、商業者や地元住民らは地域主体の運営委員会を設けるとしており、警察や区と連携しながら見回りなどを行い、「安全・安心なアキバ」を目指すという。

 歩行者天国は事件前から過激な路上パフォーマンスなどが問題化していた。事件後に区や住民、警察や商店関係者らを交えた検討会が発足。検討会は安全な街作りについて話し合いを重ね、地域の自主ルール「秋葉原協定」の制定などを経て、今年5月に再開の方針を決めたが、警備体制の調整などが長引いていた。

 事件前との変更点は▽日曜・祝日開催から日曜のみ開催▽正午開始から午後1時開始▽区間を約200メートル縮小−−など。

 運営委員会は見回りだけでなく、沿道商店からの情報も集約しながら、路上パフォーマンスや自転車乗り入れなどの禁止行為を注意、指導していくという。

 検討会の森野美徳会長は「地域の意見をまとめながら区や警察との実務的な協議に取り組んだ地元関係者に敬意を表したい」とコメント。石川雅己区長は「安全・安心なまちの実現に向けた活動に、区として全面的に支援していく」とコメントした。【山田奈緒】