菅直人首相は10日、官邸で、2010年を漢字一文字で表すよう記者団に聞かれ、「行」と書いた直筆の色紙を掲げた。首相は「修行、実行の『行』だ。首相という仕事は修行している身だ、という意識でやらなきゃいけない」と語った。

 他の閣僚も10日の記者会見で漢字を挙げるよう求められ、北沢俊美防衛相は「島」を挙げた。北沢氏は「尖閣諸島、北方領土、(北朝鮮に砲撃された韓国の)延坪島(ヨンピョンド)など島を舞台にした話題が非常に多かった」と説明。海江田万里経済財政担当相は、景気の足踏み状態やねじれ国会下の与野党対立で法案が成立しなかったことを理由に「滞」を選んだ。

 一方、仙谷由人官房長官は日本人科学者のノーベル賞受賞などを挙げて「未来を切り開いてきた開拓者が脚光を浴びた」と述べ、「拓」と書いた色紙を示した。【倉田陶子